ガラス製品

KLINGAGE 金属環融着サイトグラス クリンポート

クリンポートはなぜ強いのか?

AX-2型断面図

[1] 金属とガラスの封着(Glass to Metal Seals)による完全なシール性
金属環母材に特殊処理を施し、高温化で生成する金属酸化物とガラスが分子的に互いに融合しあって完全に封着されたものです。

[2]最高の強度を持ったガラスを最も理想的に取り扱った製品です。 ガラスの強度はガラスの種類よりも、その作られた歴史に深い関係があると云われています。即ちそのガラス製品が

  • (1) どういう製法で作られたか。
  • (2) どういう加工が施されたか。
  • (3) どういう熱処理が施されたか。
  • (4) 製品になってからどのような扱いを受けたか。
  • (5) 現在どのような使い方をされているか。
といったことに関係します。

本来ガラスはその表面及び内部に小さな潜傷がありますと、ガラスに引張応力が作用した時その応力集中が起こり、それにより破損の原因となることが多いのです。
つまりガラス製品の強度は、その製造過程において内部に微細な固形物や傷の全く無い、またガラスが凝固した面に二次加工(研磨加工等)を施すことない自由表面から製造した物が最大となります。
クリンポートの露出したガラス面は熱処理後の加工は一切行って居りません。また他の面は金属環に内蔵されていますから、製品となった後も損傷を受けることのない理想的な製法と構造になっています。

[3] クリンポートのガラスは完全強化ガラスです。
クリンポートにおけるガラスの強化理論 クリンポートに使用されているガラスは、次のような理論により強化されたものであります。 即ち、ガラスの熱膨張係数より金属環の熱膨張係数が大きいことを利用して、ガラス円板に圧縮応力を生じさせ強化したものであります。

その強化度は近似的に次の式で求められます。

強度算出数式

クリンポートの特色

驚異的な強度により高圧条件の厳しい環境のサイトグラスとして最適です。 機器本体とストレートまたはテーパーねじでの接続が可能となるため取付け、取外しが簡単でメンテナンスが容易に行えます。ガラスと金属環が直接融着しており、安全なシール性を確保しています。 万一ガラスが破損しても、通常の強化ガラスとは違い破片が飛散することが無く安全です。

  • <凡例>
  • Pmo : 金属環とガラスの境界における半径方向の応力
  • T : しめ代の係数
  • ag : ガラスの熱膨張係数
  • am : 金属環の熱膨張係数
  • tg : ガラスのセッティング温度(℃)
  • tm : 金属環のセッティング温度(℃)
  • υg : ガラスのポアソン比
  • υm : 金属のポアソン比
  • rg : 金属環の内半径=ガラス円板の外半径
  • rm : 金属環の外半径
  • Eg : ガラスのヤング率
  • Em : 金属環のヤング率

[クリンポートにおけるガラスの強化例]
金属環の外形:φ60 金属環の内径(ガラスの外形)φ40の場合
ag = 48 ×10-7 υg = 0.24 rg = 20mm Eg = 6900kg/mm2 tg = tm =400℃
am = 112 × 10-7 υm = 0.33 rm = 30mm Em = 21000kg/mm2

即ち、強化度は1026kg/cm2であります。 従って、ガラス自身の強度500kg/cm2に強化分の1026kg/cm2が上乗せされて1526kg/cm2の強度を有する事になります。
実際には、加工上の工夫によりガラスが1700kg/cm2の強度を有するものも製作されております。

[4] クリンポートのメカニズムが問題です。

クリンポートが強いわけ 一般にガラス破損の原因は引張応力によるとされていますが、弊社クリンポートは金属環によってガラスの半径方向に圧縮応力が生じています。そのため、内圧及び装着時の荷重による応力のうち引張応力は前記圧縮応力と相殺されて、実質的には引張応力は小さなものとなります。従って破壊に強いクリンポートが出来るわけです。

クリンポートの耐用圧力と耐用温度

[1] 耐用圧力
クリンポートの耐用圧力は次の様な式により求められます。

Pa= 4ta2δa / A (kgf/c㎡) A = (π / 4) D2 (c㎡)

t : ガラス板の計算厚さ(mm)
ta : ガラス板の実際厚さ(mm)
Pa : 最高許容圧力(kgf/c㎡){0.1MPa}
A : ガラス板の圧力を受ける部分の面積(c㎡)
D : ガラス板の圧力を受ける部分の直径(cm)
δa : ガラス板の許容曲げ応力(kgf/c㎡) {10N/mm2}で曲げ強さの1/10
(クリンポートでは強化ガラスと同じで1.5kgf/c㎡{14.7N/mm2}とする。)

従って、理論的には1000kgf/c㎡以上の耐用圧力も得られます。
現在製作しているものでは、窓径φ20mmのもので、耐用圧力300kgf/c㎡となっています。

[2]耐用温度
クリンポートは常温から除々にそれぞれの最高使用温度(KP-30の場合350℃)に加熱し、大気中で空冷しても破壊しません。 また、230℃のグリセリンの中へ投入し、5分間加熱した後10℃の水中に投入し急冷しても破壊しません。(ボイラー用水面計ガラスJIS B8211に匹敵)
ご希望により一層厳しい使用条件に耐える特殊品も製作いたします。例えば、
1.高圧用 真空~1000kgf/c㎡
2.高温用 -30℃~500℃

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