1)液面計(水面計)の種類と弊社製品について
1.1 液面計の基本的な説明・定義
液面計とは、流動性物体相互間の境界面を測定する為の計器の事です。 流動性物体相互間の境界面とは、気体と液体、液体相互間及び気体と粉体等の 境界面の事でこれらを総称して「レべル」 と呼ぶ事にしています。1.2液面計(レベルゲージ)の代表的な種類
- ガラスゲージ式(直視式)
- マグネットフロート式(間接式)
- ディスプレーサ式
- 差圧式
- 静電容量式
- 超音波式
- フロート式
- その他
- 弊社で製造販売している種類は1と2です
1.3 ガラスゲ一ジ式(直視式)の原理
液体の入った容器(タンク)の気体部と液体部に、連通する管を取付ければ容器内の液面と連通管内の 液面は等しくなる。この連通管部にガラスを設置すれば液面位置を直接目視する事が出来る。 連通管型を取付けないで容器に直接液面計本体を溶接するタイプ(溶接型/ウェルドオンゲージ)も有ります。 この方式の液面計をガラスゲージ式(直視式)液面計と呼びます。ポイント
- 容器内の環境条件がそのまま液面計の中に入ってくる。
- 計測器よりも配管として扱われる場合もある。
1・4 ガラスゲージ式の分類
注1) 透明なガラス管(又は樹脂管)を、グランドパッキン接続により自動止弁などに設置した型式をいい、管内の液位を監視出来る構造。
注2) 平板ガラスを鉄枠の中に組込んで、ガラスを通して液位を監視出来る構造。
注3) 平板ガラスに数条の反射溝を刻み、この溝が液側になる様に片側のみ組立て気相部と液相部の入射光線の屈折率により液面を監視出来る構造。
注4) 本体の液が入る部分(液室)に平板ガラス2枚で挟み込んでガラスを透して液面・液体を監視出来る構造。
注5) 液室を広げる事より低沸点流体・高粘性流体・凝縮し易い流体等に採用
1・5 マグネットフロ一ト式の原理
基本的な原理はガラスゲージ式と変わりませんが、レベル計(コラムチャンバー)内に永久磁石を内蔵したフロートがあり、液面の上下動によりフロートが同時に追従する。指示器は永久磁石を内蔵した回転子(フラッパー)で構成されており、フロートの移動によりフロート内の磁力は非磁性体のコラムチャンパーを通して指示部の回転子(フラッパー)を回転させる為、回転子(フラッパー)は反転する。 回転子(フラッパー)には表面と裏面に異なる彩色がなされており反転する事で色変化を生じ、 この色変化により液面位置を間接的に容易に確認する事が出来る。この方式の液面計をマゲネットフロート式(間接式)液面計と呼びます。ポイント
- 容器内の環境条件がそのまま液面計の中に入ってくる。液面喫水面の位置に常に磁石が有る。
- 計測器よりも配管として扱われる場合もある。
- ガラス式に比べて漏洩の心配が無く安全性が高い。
- 警報接点・アナログ発信器の取付出力が可能。
注1) コラムチャンバー、フロート、指示器から構成される。
1・6 マグネットフロ一ト式の分類
注2) フロート長を短く設計した事により比重変動によるフロートの浮沈みが小さく安定した液面監視が可能
鉄粉吸着機構によりフロート重量の安定化
指示器冷却機能等々
2)液面計(水面計)の選定指針(流体性状・界面測定)
- ※ チューブラー型は樹脂管を採用してアーマード形はコーティングガラス又は雲母板等でガラス面保護(透視式のみ)を使う。
- * 比重変化注意
- ○ 適している
- △ 採用してよいが他に適した形がある
- × 採用に適さない
- □ 一定の条件をクリアすれば採用可
条件 | ガラスゲージ式 | マグネット フロート式 | ||||||
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チューブラー型 | アーマード型 | |||||||
汎用型 | ラージチャンバー型 | マルチポート式 | ||||||
反射式 | 透視式 | 反射式 | 透視式 | |||||
流体性状 | ガラスを腐蝕する流体(アルカリ性など) | ※ □ | × | ※ □ | ※ □ | ※ □ | △ | ○ |
ガラスを腐蝕する流体(アルカリ性等) | ※ □ | × | ※ □ | × | ※ □ | △ | ○ | |
ガラスを汚染する流体 | × | × | ○ | × | △ | △ | ○ | |
ゲージグラス内で多量のペーパーが凝縮 | × | × | △ | ○ | △ | × | △ | |
無色透明 | ○ | ○ | △ | △ | △ | △ | ○ | |
有色不透明 | ○ | ○ | ○ | △ | △ | △ | ○ | |
粘度が著しく高い流体 | × | × | ○ | × | ○ | △ | △ | |
沸騰しやすい流体 | × | △ | △ | ○ | △ | △ | △ | |
比重変動の大きい流体 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | |
付着性の大きい流体 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | |
詰まりやすい流体 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | |
界面測定 | △ | × | ○ | × | △ | × | * □ |
3)ガラスゲージ式液面計に関する法令の概要
項目 | 消防法 | ガス事業法 | 労働安全衛生法 | 高圧ガス保安法 | ||||
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ボイラー安全規則 | 圧力容器安全規則 | 冷凍保安規則 | 液化石油ガス保安規則 | 一般高圧ガス保安規則 | ||||
設置の必要性の有無 | 所管官庁(担当者)により異なる | 必要有。但し、他の型式の液面計でも良い。 | ガラス式水面計を2ケ以上設置 | 記載なし | 記載なし | 必要有。但し、他の型式の液面計でも良い。 | 左同 | |
型式 | 所管官庁(担当者)により異なる。危険物の場合は、ガラス式は不可の場合が多い。特にチューブラ型。 | ガラスゲージ式液面計と同等以上 | 銅製ボイラでは銅の内径が750mm以下、鋳銅製ボイラでは1個をガラス式水面計以外は出来る | 記載なし | 記載なし | アーマード型の使用可 | チューブラー形、酸素又は不活性ガスの超低温貯槽に限る。アーマード刑は使用して良い。 | |
自動止弁及び手止弁の設置 | チューブラー型 | 設置の必要有 | 設置の必要有 | 記載無 | 可燃ガス又は毒性ガスを冷媒ガスとする冷媒設備には設置の必要有。 | —— | 可燃性ガス及び毒性ガスには設置する必要有。両方の機能を持った1個で良い。 | |
アーマード型 | 設置の必要有 | 記載無 | 記載無 | 設置の必要有。両方の機能を持った1個で良い。 | ||||
ガラスに関する記載事項 | 所管官庁(担当者)により異なる | JISB8211のガラス又は同等以上の強度を有するもの | JISB8211に適合するもの | JISB8211又は同等以上のもの | JISB8211の記号B又はPのものの、もしくは同等以上のもの | チューブラー型は記載無、アーマード型に関しては同左 | ||
ガラスは損防止の保護処置 | 所轄官庁(担当者)により異なる | チューブラー型の場合に必要 | 記載無 | チューブラー及びアーマード型の両方が必要 | ||||
材質 | 所轄官庁(担当者)により異なる | 記載なし | 記載無。但し、「最高圧力1.5MPa以下のボイラにおける水柱管は、鋳鉄製とする事が出来る」の記載有 | 記載無 |